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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
「昼はわんこそば、あとは北へ。」
「そこは内緒ですか?」
「ああ、夕飯はカレーを外で作って、テントで眠る。」
「うまくいくのかな、不安ですね。」
「大丈夫だよ。」
「さあ、出発しよう。」
朝食を済ませて出発する。今晩には目的地に着くとなると気が逸る。
予報通りで追いつくのか、もっと北上しなければならないのか気になる。
もしこれでルリの記憶が戻ればと思ったこともあったが、今朝方の夢を思うと、記憶があってもなくてもいいと思った。
「出発〜」
助手席のルリの声にハッとして車を進めた。
「あの、ハルト、わんこそばって、犬と関係あるんですか?」
「へ?何で犬?」
「わんちゃん、とか、わんことか言うじゃないですか…」
「ぶっ…ぶははっ…犬は入ってないと思うよ。」
「じゃあ、何でわんこなんでしょう。」
「お椀のわんだよ、方言なんじゃないかなぁ。」
「ハルトは食べたことありますか?」
「いや、映像でみたけど忙しいらしいよ。」
「忙しい?」
「蓋が出来ないといつまでも食べなきゃいけないらしい。」
「え…ワタシ大丈夫でしょうか…」
「どうだろね。頑張って?」