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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ

いつもの優しいハルトじゃない。

でもこの瞳を知っている。狩りをする雄の獣の瞳…

ブルリと体が震えたけれど、構わずハルトの顔が近づいてくる。

1年半もの間…ワタシたちは一緒にいたんだ。

記憶が戻らないことをいたわるように優しく、壊れもののように扱うハルトはいない。

怯むワタシにクスリと笑い、ハルトの唇がワタシの唇に重なる。

しばらく啄まれたけど、唇を抉じ開けるようにして舌が入ってくる。

口内を蹂躙されながら、体がこのハルトを覚えていると判る。
口内だけでなく体も心も全て蹂躙され、そして自ら捧げたのだと…

チュクッ…チュパッ…

ンン…ハル…ト…

「そうだ。体は覚えている筈だ。俺を呼んで啼いていればいい…」

口づけにかろうじて応えている間に、服は剥がされ、ブラも外されていた。

見上げるハルトの上から、次々に桜が舞い降りてくる。
黒豹のようなハルトが怖いとも思ったけど綺麗だった。
よくわからない感情が流れ込んできて、ワタシは目に涙を溜めていた。

「俺が…泣くほど嫌か?
そうだとしても、これだけは譲れない。」

「違っ…嫌じゃない…です…っあぁ…」


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