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***堕散る(おちる)***
第12章 step12六段目…視覚(5)
これ以上、嬉しい言葉があるでしょうか…
【ずっと離さない…】
いっそオカシクなってしまいたい。
ワタシは、嬉しくてハルトの胸板に口づけする。

「ルリ?
痕になるだろ?」

「あっ…」

「いや、中途半端じゃなく、しっかり痕付けてくれ、俺もルリのモンだから」


ワタシはあまりの嬉しさに涙が溢れたけど、キツくキツく口づけし、ハルトの胸板に花のような痕を付けた。

ワタシを桜と云うなら、ハルトは薔薇、
黒い薔薇…妖艶な香りを放ち誘き寄せ、すべてを虜にする。

でも黒い薔薇は人工的に造られたもの…
ずっとずっと一緒にいれば、いつか心を取り戻し、真紅の輝きを放つだろう…

「ルリ、時間大丈夫?」

「今日は母が残業で、夕食も一緒に居られます。」

朝一番に話そうと思っていたことがやっと言えた。

空は、少しずつ赤みがかってきた。今日は夕焼けになりそう。

「シタい…またルリを抱きたい。」

ワタシ達は裸で抱き合って寝ていて、先程からハルトの下半身がアタシの腹部に存在感を示していた。

「ワタシもハルトでいっぱいになりたいです…」

答えるとワタシはベッドに張り付けられて、上からハルトの鋭い視線で刺される。
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