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***堕散る(おちる)***
第16章 step16十段目…二人きりの休日
ルリが窓ガラスと戯れている。

3方向カメラはあまり様子がわからない…
もう1つのカメラの画面に変えた。

ベランダにあるカメラ…
ガラス越しになるが、どれくらい撮れているだろうか…

はっ…

こんな所からも映されている。

そして、何故変態男に覗かれているシチュエーションが必要だったのかも…わかった。

昆虫観察…

蟻を透明箱に入れて、巣作りの様子を見る。
ガラスにカタツムリを這わせて、裏側から見る。

蟻もカタツムリも見られているとは知らずに一生懸命だ。

ワタシは、ハルトの手中にあると知らず淫らになっていた…

知らないとはいえ、淫らなワタシ…
そうまでしてワタシを見るハルト…

どちらも普通じゃない…

料理も、ブランコも知らない、在り来たりの日常生活もない、会話も生きる最低限しかない…

生きることすら、奪われそうな環境で、命をつなぐことだけで大人になったハルトに普通を求めてはいけない…

観察対象でもよい…
弄ばれても…
何があっても一緒にいる。ワタシはまた決意する。

「ルリ?つまらない?」

「いえ、恥ずかしいだけです…」

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