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***堕散る(おちる)***
第18章 step18十二段目…夏休み後半
死にたくないって叫んでいるところに、父親が来て病院に連れていったらしいよ。
俺を産んで病室に戻った時には父親は妻子の元に帰った後で、
とても寂しいクリスマスイブだったと、
一番最初に俺に向かって呪った日だったと…」
「ハルト…今年からは一緒にお祝いしましょうね。」
「別にいいよ。」
「ワタシにとってはハルトが生まれた日大事ですよ。」
「ふうん。ルリは誕生日いつなの?」
「4月28日です。」
「やっぱり春生まれなんだ。」
「やっぱり?」
「ルリは桜のイメージだから…」
「ハルトはそう言うけど…言われたことないです。」
「エロい顔してる時、全身が桜色になる。」
「そ、そうなんですか?」
「ほら、桜色になった。
また、シよ?」
ハルトが覆い被さってくる。
言葉を掛けられて、こんな風に抱き締められる。
求められて、必要とされるのは嬉しい。
深い口づけに、全身に降り注ぐ快感に考えていることができなくなる。
愛してる…
言葉にはならないけど、
ワタシの想いはそう…
ハルトからその言葉がもらえたら…
でも、無理には要らない。表面的な言葉は要らない。
こうやってハルトの体温を感じるだけでいい。