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***堕散る(おちる)***
第19章 step19十三段目…始業式
整った髪が、濡れてぺしゃんこになり、幼くなっていく。

訳もなく愛おしいと感じた。

「人に洗ってもらうの気持ちいいね。」

シャンプーの泡に包まれ、髪はモコモコなっていて、目を閉じたままのハルトが、
瞑っていて見えないのに、顔を持ち上げてワタシの方を見る。

無防備な姿、
人を畏れて孤を守る強さで出来た壁を感じることが多いハルトが、ここまでワタシに許してくれているのだ。

「どこか足りないところはないですか?」

美容院のシャンプーのように訊いてみる。

「ココとこっち」

目を瞑ったままのハルトが、唇とモノを指差して…

「ルリが足りてない。」

恥ずかしくなるようなことを言う。
からかって言うのか、目を閉じた無表情からは読み取れない。

ズクン…

さっき、ハルトの匂いを嗅いだ時からもたげていた欲望に火がつく。

ハルトの前に跪き、泡だらけの頭を押さえ、唇を重ねた。

チュッ…チュクっ…

触れるだけのキスをしたのに、ハルトに舌を捕まえられて、深い口づけとなる。

ハルトが欲しい。もうハルトの一部になってしまいたい。


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