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***堕散る(おちる)***
第19章 step19十三段目…始業式
警察ではないけれど、あの人たちには似たような威圧感があったかも、
大丈夫、もう狙われない。ワタシは落ち着いてきた。

上着を脱ぐハルトを見て、ふと

「ネクタイ外すのアタシにやらせて欲しい。」

頼んでみた。

「いいよ。やって」

子供が着替えを任せるように両手を広げる仕草が可愛かった。

ネクタイを締めたり外したりする仕草を、初めて見てから、ずっと興味があったのだ。

少し手を上げる体勢にハルトが屈んでくれる。
結び目を覗きながら解いていくと、緩んだ襟元からハルトの匂いがして鼻を擽る。

匂いに刺激されて、ハルトを欲しいと思った。
シュルシュルと襟をネクタイが滑る音。
外したネクタイをどう扱うのかわからなかった。

「脱がされるのって、なんかエロいね。」

ハルトが細い方から巻き始めたので、受け取って巻いていく。
その間にハルトはさっさと脱いでいた。

「まず俺がルリに洗ってもらう。」

さっとシャワーを浴びて風呂椅子にハルトが腰掛けた。

「頭も洗って?」

他人の頭を洗うことなどないのでドキドキする。

「目を瞑っててくださいね。」

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