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***堕散る(おちる)***
第20章 20章 step20十四段目…秋
「ハルト、料理人になったらいいですよ。
センスあるし、味覚もいいし…」

「俺、仕事もうあるよ?」

「そ、そうですけど…」

「事務所に次はキッチン作るか?」

「狭くなっちゃいますよね。」

「そうだね。」

楽しく話して食事する。
ワタシもハルトもそれに飢えてたのかもしれない。
些細なひとときがとても幸せに感じた。

「よし、もう一本空けるよ。
おい、先にティスティングしただろう?
このワインは上等だったか?」

ハンバーグに話しかけているハルト…

「ハルト?普段も物と会話してるんですか?」

「いや…ルリが幸せになれると思って…」

「フフッ…幸せ?
確かに幸せですけど、ハルトが物と会話してるからじゃないですよ?」

「そうなの?幸せって難しいな。」

「難しいですね。」

「ん…このワイン美味いよ。ルリも飲んでみる?」

「ちゃんと二十歳になるまで待っててくださいね。」

「そういうとこだけ厳しいからなぁ。
二十歳の誕生日は盛大に祝って、死ぬほど飲ませてやる。」

「死にたくはないです…」

「あははっ…
しかし、一緒に作って、一緒に食べるって美味いね。」

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