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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
手を使えないルリの代わりに玄関の扉を開ける。

ルリは扉の外と俺の顔を見ていたが、

俺が本気で言っていると判ると裸足のまま足を踏み出した。

普段使わない、最上階ならではのオプションボタンを押してドアを閉める。

ルリは寒空のもと、外気に近い廊下に真っ裸で出る。
インターホンで声を掛ける。

「ルリ、猫背になってるよ。俺に見られて恥ずかしくない体だろ?

堂々として、うちのスペースの端から端までゆっくり歩くんだ。」


ルリは泣きそうになりながらも、言う通りに歩く。

「誰かに会ったら、どうぞ隈無く見てください。と言うんだ。」

ルリが首を振りながら、画面の端から消える。


【ポーン…到着しました…】

ボタンの効果でエレベーターが到着する。

「ほら、誰かきたよ。」

いやっ…

ルリが思わずしゃがむ。

「堂々として、言うんだ。」

ルリがふらふらと立ち上がる。

「どうぞ…隈無く…見て…くだ…さい。」

「ほら、ゆっくり回って見せるんだ。」

ルリがゆっくり回る。
寒さからか羞恥からか、体は震えていた。


扉を開けてルリを引きずりこみ抱き締める。


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