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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「まあいいや、続けて…」


「とても心優しい鬼で、村人たちと仲良くしたいと、力仕事を手伝ったり、子どもたちと遊んだりして、
村人たちに好かれていました。」


「偽善者だな…」

「まぁ、そう言わずに、お話ですから…


青鬼には友達がいました。」

「赤鬼だな…」

「そうです。
最初は人間と仲良くする青鬼を怪訝に思いましたが…」

「そりゃそうだろ、人を虐めるのが鬼の仕事だ。」

「そうですね。
でもしだいに青鬼が羨ましくなります。

自分も人間と仲良くしたいと思うのに上手くいきません。」


「ん…そりゃ…見た目で人は判断するからな…」


ハルトの手も返事もゆっくりになってくる。
合いの手のようにチャチャを入れてくるのが可笑しかったが、笑いをこらえて話を続けた。


「ある時、青鬼が提案します。
自分が村人の前で暴れるから、それを治めて退治するようにと…」

「ん……それって……ヤラセじゃね…」

「その作戦にのり、赤鬼は実行に移すよう青鬼に頼みます。」

「赤鬼も…単純な…やつだな」


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