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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
少し落ち着いたオレンジがかったピンクのコート。
袖を通すととても暖かい。
寝室を出る。

ハルトはもう支度を終えていた。

黒い皮のコートの襟から白いマフラーが覗いていた。

「凄く暖かいよ。」

ハルトはマフラーの手触りを楽しんでいた。

「ほらバック」

コートと同じ色のハンドバッグを渡される。

「ハルト…凄く高いものばかり沢山…」

「クリスマスプレゼントだからね。
でもルリのお手製のプレゼントの方が高級だよ。」

「あ…ありがとうございます。」

「じゃあ出掛けようか…」

玄関にはバックとお揃いの靴まで用意されていた。

値段じゃない。
ハルトは言ってくれるけど、やはり申し訳なくなってしまう。

「ルリ、プレゼント気に入らなかった?」

「違うんです。
本当に沢山…申し訳なくて」

「ルリに似合うものを探すのも楽しみだから、
高級だと思うなら、思うルリが高級なんだよ。」

ハルトにエスコートされてエレベーターに乗る。

こんなにお洒落してどこにいくんだろう。

やはり緊張してしまう。

「そう言えばさ、赤鬼の話、泣くシーンがなかったよね?」

ハルトが運転しながら思い出したように聞く。


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