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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「ハルト、どこにいくんですか?」

「内緒…
もうすぐつくよ。」

行き先は教えてもらえない。
ハルトはそんなアタシの様子が面白いのか、鼻歌を歌い始めた。

フンフン〜フンフン〜
どこだろ〜
フンフン〜フンフン〜
行き先〜

フンフン〜フンフン〜
青鬼は〜
フンフン〜フンフン〜
どこだろ〜

「ふふっ…
でもハッピーエンドじゃないから、気になりますよね。」

「赤鬼は青鬼の気持ちを大切にし、村人と楽しく暮らしましたとさ…」

「赤鬼は、青鬼に会えない苛立ちを村人にぶつけて、元通りになってしまいましたとさ…」

「赤鬼は青鬼を探す旅に出掛けて漸く会えました。
やっぱり人間より仲間の方が大事だとわかりましたとさ…」

ハルトが次々に予想の結末を話す。
おどけた顔をこちらに向けて、結びを言う。

っふふ…

思わず笑うとハルトも笑う。

「何も鬼たちの為に俺らがしんみりすることないよ。
うん、何か大事なものを見失ってないか?
くらいのメッセージじゃないか?」

「そうですね。
ハルト、本とかよく読むんですか?」

「いや?なんで?」

「読んだらいっぱい考えさせられるだろうなって」

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