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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
大きなツリーのライトが灯されて暗い部屋に柔らかな光が広がっている。

「ハルト、とても綺麗…」

「ああ、綺麗だ。
クリスマスは綺麗で楽しい。」

ハルトに抱きすくめられたまま、ワタシ達はツリーを眺めていた。

ハルトの手がコートを脱がせていく。
ワタシはされるがままにハルトに身を預けた。

ピンポーン

「ルームサービスです。」

ハルトがコートをかけ部屋の明かりをつけてドアを開ける。

ボーイがワゴンを押して入ってくる。

「どちらにご用意しましょうか。」

「ツリーと夜景が見えるところによろしく。」

テーブルの位置が変えられ、大きなキャンドルタワーと銀色のドームカバーに囲われたもの、ドリンクホルダーに入った2本の飲み物、食器などが手際よく並べられていく。

「お飲み物は白のシャンパンとストロベリーのソーダでお間違いないでしょうか?」

「あぁ、それで大丈夫です。」

「ではこちらでご用意できました。
限定10台のブッシュドノエル、シェフが素材選びから手掛け丹念に仕上げた逸品です。
どうぞ御賞味くださいませ。」

「ブッシュドノエルってどういう意味だ?」


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