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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
箱から取り出されたのは、昼に作った海辺のキャンドルだった。
ハルトが明かりを灯す。

「ケーキにも蝋燭立ててくださいね。」

銀色のドームカバーを開けると沢山のフルーツに囲まれたブッシュドノエルが現れる。
チョコレートでコーティングされた上から粉雪がかかっている。

「素敵ですね。」

「なんで5本なの?」

「ハルトが25歳になったから…」

「ああ、」

ケーキにも明かりが灯る。

「電気…」

ハルトがリモコンを持ってきて部屋が暗くなる。

キャンドルタワーと海のキャンドルライトでゆらゆらと灯された空間、ツリーの灯り。

静かな灯りの中でケーキを囲んでハルトと向かい合う。

素敵なことばかりで、今日1日がすべて夢ではないかと思われる。

♪ハッピーバースデートゥーユゥー…♪

ワタシはバースデーソングを歌い始めた。

ハルトは子供のようにキラキラした瞳でケーキや蝋燭やワタシを見る。

♪ハッピーバースデーディア、ハルト〜
ハッピーバースデートゥーユゥー…♪

「ハルトお誕生日おめでとうございます。」

「蝋燭の灯、消していいの?」

「はい、ハルトが消してください。」

フゥウウゥ〜


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