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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
ハルトの掛け声でクリームを塗った上の部分を二人で下ろしていく。

間からはみ出たクリームを側面に馴染ませていった。

ハルトはもちろん表面のクリームも塗る。均等に塗るのでなく、敢えて波立たせるのを教えると黙々とやっていた。

「なんかのっぺらぼうだな。」

削ったホワイトチョコレートを見せると粉雪の鼻歌を歌いながら、チョコレートを振り撒いている。

苺とアンゼリカで作った柊を絞り器から出したクリームの台座に乗せる。
ハルトは喜んで続きをやっていた。

「完成?ドーナツ型は?」

「そこにこのフルーツを詰めたら完成ですよ。」

ハルトは彩りを考えフルーツを詰めていく。

カシャッ…

出来上がったらしく写真に納めカバーをかけて冷蔵庫にしまった。

「見せてくれないんですか?」

「うん、お楽しみ。それより少し休憩しよう?」

「はい。」

ソファーに腰掛ける。

「このクリーム余りでしょ?」

「そうです。」

珈琲に浮かべる。

「ああ…」

「美味しいよ。」

クリームの冷たさと甘さ、珈琲の熱さと苦さが混ざって美味しかった。

「さくらんぼにもクリームつけて食べようか…」

「さくらんぼ?」


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