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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
舌を絡め取られ、貪るように口内を探られて、ワタシはただただ口づけに応えるのが精一杯だった。

ハルトの手が胸に触れる。形を確かめるように動き出す。

ゆっくりと触れていた手が段々強くなっていき、ワタシの体も反応し始める。

ハルトは充分それに気付いていて、指先が尖端を掠めていく。

だめ…人が来ちゃう。

涙が溢れてきた。

ハルトの唇が離れていく。

寂しいのにホッとする。

「このまま抱きたい。」

熱い視線で告げたハルトの顔が近づいてくる。

ワタシはようやく我に返り、その唇に手を当てて止めた。

「ハルト…だめ…人が見てるから…」

フッとハルトが笑みを浮かべた。

「やっぱりだめかぁ。このままイケるかと思ったけど。」

「無理です。人が来たら困ります。」

「そうだね。桜色のルリを花見にされたら困る。

じゃあ、ルリからキスしてくれたら諦めるから。」

そういってハルトが横になった。

ワタシから?
いつ人が来るかわからない。

上体だけ起こしてハルトを覗き込む。
ワタシの瞳をしっかり捕らえて離さない。

身を屈めてハルトの唇に唇を合わせると後頭部を押さえられた。


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