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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
ハルトに引っ張られてゴロンと横になる。

「うわぁ…綺麗…」

「だろ?最高…」

水色の空を遮るように拡がる淡いピンクが美しい。
ヒラヒラと舞い降りる花びらが、ワタシ達に引き寄せられるようにやってくるのだ。
樹が密集している一角にいるので、いくつもの枝が重なっている。

淡いピンクが集まって濃いピンク色になっている。
美しさを上手く表現できず。ワタシは息を飲んで見上げていた。

「綺麗だろ?」

ハルトがワタシの顔を覗き込む。
そのままハルトの顔を魅いってしまった。
顔がどんどん近づいてくる。

あっ…

その色香に気付いた時にはもうその唇に捕らわれていた。

ハルトの髪に、肩に、桜が降る。雪よりもゆっくりと、ヒラヒラと舞いながら降りてくる。

綺麗…

ワタシは目を閉じるのも惜しくて、そのまま口づけに応えていた。
唇をなぞられ、熱い舌に拓かれる。
ハルトの瞳が優しい色を放つ。

伏し目がちな瞳に長い睫毛がかかるけど、その間からワタシを探し見つめる熱い視線。

外で、こんなところで…と、断ろうにもその熱さに美しさに、心奪われて動けない。


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