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***堕散る(おちる)***
第24章 step24十八段目…春
ハルトが真面目な表情で言う。
とりあえず、溢さないよう静かにたたみ集めていく。
それを先程の袋に大事そうに入れていった。

潰さないように空気を入れて袋を閉じてバックにしまう。

電車の中で訊いても教えてくれなかった。

「ただいま〜ルリは珈琲淹れて、片付けしてて…」

ハルトは寝室に行ってしまう。ドアまで閉じて、何だかこそこそしていた。

「珈琲入りましたよ。」

ハルトはドアを閉めて出てきた。

珈琲を飲む。カメラを持っていけば良かったとハルトは言う。

「だいぶお預け食らったからな…」

抱きかかえられて寝室に行く。

「ハルト、歩けるし降ろして…」

言っても聞いてもらえない。

「うわぁ…夜桜みたい。」

「夜桜かぁ…そうだね。」

黒いシルクのシーツに集めた桜の花びらがちりばめられていた。

「ゼリーやお弁当も綺麗だけど、こっちは本物だから。」

この為に、ずっと集めていたんだ。

「もしかして、大きなシートも花びらを集めるため?」

「そうだよ。」

「綺麗です。」

「もっと綺麗にしてあげる。」

ボンッ…

ベッドに落とされる。
反動で桜が舞い上がる。
遅れてヒラヒラと桜の雨が降る。


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