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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
 ロザリナは笑った。

「アーサー王子の上が皇太子殿下でしょ。確か、トーマス王子」

 あ、と、そこでロザリナは口を手に当てた。

 傍らのトーマスが期待に満ちた眼でこちらを見ている。ロザリナは笑いながら言った。

「やだ、トーマスっていう名前、皇太子殿下と同じだわ。偶然にしても、面白い」

 トーマスががっくりと肩を落とした。

「あら、どうかしたの、トーマス。もしかしたら、皇太子殿下と同じ名前だから、畏れ多いとか?」

 実はまったく見当違いな発言なのだが、この時、まだロザリナは真実を知らないのだから致し方ない。
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