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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
「いや、そうじゃない」

 トーマスは気を取り直したように続けた。

「ローズは皇太子の顔を知らないんだな」

 念を押すように言われ、ロザリナは頷いた。

「エーデリンデは国王陛下や王妃陛下以外は王室の方といえども、あまり表に出られないから。アーサー王子だけは別格ね。あなたの遠い親戚なのに申し訳ないけど、あの方は早くからスキャンダルと一緒に生きてきたような人だから、世界的にも、ちょっとした有名人じゃない?」


「まあ、言い得て妙だな」

 トーマスが上目遣いに見つめる。
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