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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「アーサー殿下」

 慌てて椅子から立ち上がろうとするのを制し、彼は気軽に隣の椅子を引いて座った。

「先日は失礼しました」

 とりあえず、トーマスが失礼な態度を取ったことを謝っておく。

 アーサー王子は笑った。

「別に気にしてないよ。あの人は君を全力で守ろうと必死だったみたいだし」

「トーマスは殿下の遠縁に当たると言われていましたが」

 どうしても訊かずにはいられなくて言うと、アーサー王子は曖昧に頷いた。

「まあ、そんなところかな」
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