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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
 そういう時、トーマスは頬を染めるロザリナに極上の笑顔を見せるのだ。

―俺は絵を描いているときのローズがいちばん好きだ。それに、甘やかして、そんな可愛い顔が見られるなら、もっともっと甘やかしてみたい。

 まったく懲りないというのか、恥ずかしいということを知らないのか。言われているローズの方が林檎のように真っ赤になり、臆面もなく囁いているトーマスはまったくの素面というのだから、始末が悪い。


 それでも、ロザリナは幸せだった。こうして二人でゆっくりと気持ちを、恋を育んでゆけたなら、その先にきっと何らかの応えが待っているはずだと信じて疑っていなかった。
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