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第3章 真夜中のプリンセス・ベル

　その時、ロザリナの脳裡に一つの疑問が浮かび上がった。

　彼は一体、どういう家に生まれ育ったのだろうか。これは恋人同士として付き合う―特に将来を考えての交際であれば、尚更大切なことだ。　

　丁度良い機会だと思った。トーマスからは今日一日、色々と案内したい場所があるので付き合って欲しいと言われている。帰りはアパートまで送るが、夜は少し遅くなるだろうとも。


　一日中、一緒にいるのなら時間はたっぷりとあるはずだ。その間に彼の家族や生い立ちについて訊ねることもできるに違いない。