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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
 この車一つ見ても、トーマスがかなり裕福であることは一目瞭然だ。実家は家業を営んでいて、彼はその副社長のようなものだと聞いているが、今日はもう少し詳しい話も聞けるだろう。


 車は首都エルデリアを出てからは、しばらく国道を走った。幾つかの町を通過した時、突如として車が止まった。

「ここからは山道を走るんだ」


 トーマスの説明に、ロザリナは頷く。最初は平坦だった道が次第に曲がりくねってゆく。半分ほど山を登ったところで、お昼にした。弁当を作っていこうかと提案したけれど、トーマスが必要ないと言うので、何も用意してこなかった。
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