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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「トーマス、もう行きましょう。何だか怖くなっちゃった」

 ロザリナが先に室外に出て待っていると、トーマスもほどなく出てきた。

「後宮は権謀術数渦巻く伏魔殿だから、カトリーヌも生き抜くのに必死だったのね」

「それが何人もを殺すことに繋がったのかな」


「そうでしょうね。後宮で生き残るためというのは人殺しの言い訳にはならないけれど、現代を生きる私たちからは想像を絶する時代だったから、ある意味ではカトリーヌの生き方も当時は一つの生き方ではあったのかもしれない。卒論を書くとすれば、若い頃、罪に手を染めた時代はそういう観点から書いて、中心はこのお城で過ごした晩年を調べて書こうと思うの」
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