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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「それは良い。カトリーヌは稀代の妖婦と決めつけられているから、それを真逆から見る方向性でいくのはありなんじゃないかな。しかも、彼女の生涯について研究されているのは主に男爵夫人からトーマス二世の寵姫に成り上がってアレリー一世を養子に迎えるまでの期間だ。晩年を研究している学者なんて皆無だから、まだまだ調べられていないことも多いだろう。良いところに眼をつけたね、ローズ」



 まるで兄が妹を褒めるような優しい口調で言い、トーマスがロザリナの髪を撫でる。やはり、いつもの明るい春風のようなトーマスだ。先刻、彼が別人のように思えたのは、自分がカトリーヌの生涯に感情移入をしすぎたせいだったのだろう。
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