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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
「本当にありがとう、トーマス。お陰で卒論のテーマが絞り込めたみたいよ」

「ちょっと外に出てみようか」

 トーマスは笑いながら頷き、二人はまた長い螺旋階段を降りて跳ね橋を渡った。城の手前は大きな湖が横たわっている。これは天然のもので、ここに城が建つ前から湖は満々と水を湛えていたのだ。


 二人は並んで、ゆっくりと湖岸を歩く。湖の周囲は整備された小道が続いている。道の周囲には緑の樹々が定間隔で植えられていて、散策にはもってこいの並木道だ。時折湖岸を渡ってくる風に、鮮やかなエメラルドグリーンの葉がかすかにざわめく。
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