この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル

昼間見たカトリーヌの室に飾ってあった薔薇は深紅だった。カトリーヌは肖像画の中でも深紅のドレスを纏っていた。赤をこよなく愛した彼女は晩年までその色のドレスで通したという。
あんな風に部屋にも常に深紅の薔薇を絶やさなかったのだろうか。ぼんやりとした物想いに浸っていると、トーマスがいつしか傍に立っていた。彼は一輪の薔薇を手にしている。
花器の中から抜いてきたのだろう。彼は器用な手つきで薔薇の花だけを摘み取り、ロザリナの髪に飾った。
あんな風に部屋にも常に深紅の薔薇を絶やさなかったのだろうか。ぼんやりとした物想いに浸っていると、トーマスがいつしか傍に立っていた。彼は一輪の薔薇を手にしている。
花器の中から抜いてきたのだろう。彼は器用な手つきで薔薇の花だけを摘み取り、ロザリナの髪に飾った。

