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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル

「結婚して、俺だけの姫君」
トーマスが上着のポケットから取り出したのは深紅のビロードの小箱だった。蓋を開いた瞬間、シャンデリアの灯りを受けて指輪が燦めいた。
「これを君に」
彼がロザリナの指に填めたのは見事なガーネットの指輪だった。深紅の大輪の薔薇が咲き誇り、それを縁取るように小粒のイエロージェイドが控えめに輝いている。何カラットとある大粒のガーネットは平凡な一般家庭で育ったロザリナには想像も及ばないものだろう。或いは値もつけられないほどの代物か。
トーマスが上着のポケットから取り出したのは深紅のビロードの小箱だった。蓋を開いた瞬間、シャンデリアの灯りを受けて指輪が燦めいた。
「これを君に」
彼がロザリナの指に填めたのは見事なガーネットの指輪だった。深紅の大輪の薔薇が咲き誇り、それを縁取るように小粒のイエロージェイドが控えめに輝いている。何カラットとある大粒のガーネットは平凡な一般家庭で育ったロザリナには想像も及ばないものだろう。或いは値もつけられないほどの代物か。

