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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル

それこそ女性ならば一生に一度は夢見るはずの夜なのに、ロザリナは何故か涙が溢れて止められなかった。もちろん、嬉し涙ではなかった。
「あなたは何者なの?」
ずっと問いたかった。けれど、最後まで口にできなかった。口にしてしまえば、彼との心地良い時間が終わってしまいそうな気がしたから、このときまで眼を瞑って知らん振りをしようとしたのだ。
シャンデリアの眩い灯りが彼の端正な面に微妙な陰影を落としている。まるで彼が見知らぬ男のように感じられてならない。
「あなたは何者なの?」
ずっと問いたかった。けれど、最後まで口にできなかった。口にしてしまえば、彼との心地良い時間が終わってしまいそうな気がしたから、このときまで眼を瞑って知らん振りをしようとしたのだ。
シャンデリアの眩い灯りが彼の端正な面に微妙な陰影を落としている。まるで彼が見知らぬ男のように感じられてならない。

