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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
 暗闇のせいで、運転手に自分の悲惨な有り様がまともに見られなかったのは不幸中の幸いだったといえよう。山道は当然ながら小道の両脇には樹木が鬱蒼と茂っていて、ロザリナの長い髪は木の枝に絡んでほつれ、地面に裾を引き摺って歩いたものだから、ドレスのスカートは泥だらけという有り様になっていた。ロザリナは疲れ切った身体を深くシートに埋めた。




 道々、話し好きの初老の運転手は色々と話してくれた。どうやら、駐車場から二手に分かれていた道は左にいけば離宮、右に行けばリゾートホテルに繋がっていたらしい。トーマスがロザリナと一夜を過ごすつもりだったホテルというのがそのリゾートホテルに違いない。
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