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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第3章 真夜中のプリンセス・ベル
 ドアの閉まる音がして、間近に誰か座る気配がした。

「可哀想なローズ」

 温かな手の温もりが髪を優しく撫でる。


 ああ、あの男もこうしてよく私の髪を撫でてくれたっけ。もう恐らくは二度と逢うことはないだろうひと。


 こんなにも手酷い形で裏切られても、騙されても、私はまだ彼を嫌いになれない。いっそのこと、彼をとことん嫌いになれれば、話は簡単だろう。
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