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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
 ロザリナの視線に気付いたらしく、彼は心もち肩を竦めて見せた。人の良さげな顔には
―まったく、参ったよ。

 と、書いてある。サイモンにとっては早くも一日分の花が売り切れて悦ばしいには違いないだろう。ここで自分が花を突き返せば、サイモンにも申し訳ない。

 彼は露店の花売りだが、花をこよなく愛し仕事に誇りを持っている。彼の大切な花を無下に扱うことはできない。

 ロザリナは溜息をつき、手を差し出した。

「そのお花、ありがたく頂きます」
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