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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第2章 王子の嫉妬
「コリン」
ロザリナはゆったりとした足取りで近づいてきた男と軽く抱き合い、男がロザリナの頬に軽くキスをした。
王子さまがそれを冷たい眼で見ていることに、ロザリナは気付いていない。
ロザリナが王子さまを振り返った時、彼の美麗な面から冷笑は消え、元どおりの穏やかな微笑が浮かんでいた。
「紹介するわ」
言いかけたロザリナの腕に抱かれ、幼児が叫んだ。
「僕、フィリップ・ワトソン」
「初めまして、小さなフィリップ」