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キスをして
第7章 小塚の憂い
「わざわざ仕事に来るくらいだし今回はもし来たら誤魔化すよ」

「お願いしますっ」

橘さんが味方してくれて良かった。
今小塚さんには会いたくない。
コートとバッグを握り締めてビルを飛び出した。

行く先なんてこんな夜中にあるわけないけど――

聞き覚えのあるエンジン音が後ろで響いた。

小塚さん!?なんで!?
どう考えてもまだ30分も経ってないのに!!?
どうしよう!?

とりあえず私は振り返って全速力で逃げ出した。
今小塚さんには会いたくない。

「間宮さん!」

後ろを振り返る事なんてできなくて人の少ない歩道を走る。

「っ‥逃がすわけないだろっ」

「――きゃっ!!」

手首を掴まれてバランスを崩した体は反転し小塚さんの胸に収まってしまう。
無言で胸を突き返すが小塚さんの体はびくともしない。

「待って!俺何かした!?」

離してよっ

「言えないことで俺は避けられるの!?」

動けば動くほど抱きすくめられて小塚さんの鼓動に触れる。

「泣いていたって分からないよ」

…だから離れて欲しかったのに。
今顔を見たら‥触れたら‥泣いてしまうと思ったから。
私はこの腕の優しさを知ってる。
だから嫌だった。本当はあの夜だって声が聞きたかった。

「離して」

「一人で泣かせたくない。俺に会いたくなかった?」

違うよ…そんな悲しそうな声聞きたくない。
本当は会いたくなかったんじゃない…。
会えなかったんだ。
小塚さんに悟られたくなかった…。知られたくなかった…。

「間宮さんどうしたの?」

甘えたかった。
でも私はそんな立場にない。小塚さんを都合よくなんてしたくない。

小塚さんは私のものじゃない。
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