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キスをして
第7章 小塚の憂い
「大丈夫?とりあえず一回家入ろうか」
「いい!触らないで!!」
「分かった触らない。触らないから店に入って‥頼むから」
開けてくれた店内に入って作業場のソファに座らされる。
小塚さんは何も言わずにストーブを点けて階上に上がっていった。
静まり返った作業場はドアを開けたままで店舗の鍵も開けたまま。もしかしたら帰ってもいいと言うことなのかもしれない。
話す勇気は出ては来ないけど部屋に戻る気にもなれないし、昨日みたいになるのは嫌だ。
「少し落ち着いた?」
上で淹れてくれていたらしいコーヒーを勧められて一口啜る。
「チョコレート?」
「気付いた?間宮さんが席を外している間にコーヒー用のチョコレートを姉さんに貰ってね。ココアとかあれば良かったんだけど」
ほんのりと甘いチョコレートの香りに気持ちが安らぐ。
「思ってたより美味しいね。これ」
何も訊かずに関係ない話を続けるのは気を使ってくれているのだと分かっている。
「もしかして俺が誘わない日には色々起きてる?」
「―――!そういう訳じゃ」
「今までこんな事なかったよね」
急に振られた本題に言葉が詰まる。
「財布覚えあるの?」
言わなきゃ。
『遠慮をして一方的に距離を取ろうとしたり逃げられたら傷つくよ』
そう言われたばかりなのに。
「甘えるのは簡単って言ったでしょ」
「いい!触らないで!!」
「分かった触らない。触らないから店に入って‥頼むから」
開けてくれた店内に入って作業場のソファに座らされる。
小塚さんは何も言わずにストーブを点けて階上に上がっていった。
静まり返った作業場はドアを開けたままで店舗の鍵も開けたまま。もしかしたら帰ってもいいと言うことなのかもしれない。
話す勇気は出ては来ないけど部屋に戻る気にもなれないし、昨日みたいになるのは嫌だ。
「少し落ち着いた?」
上で淹れてくれていたらしいコーヒーを勧められて一口啜る。
「チョコレート?」
「気付いた?間宮さんが席を外している間にコーヒー用のチョコレートを姉さんに貰ってね。ココアとかあれば良かったんだけど」
ほんのりと甘いチョコレートの香りに気持ちが安らぐ。
「思ってたより美味しいね。これ」
何も訊かずに関係ない話を続けるのは気を使ってくれているのだと分かっている。
「もしかして俺が誘わない日には色々起きてる?」
「―――!そういう訳じゃ」
「今までこんな事なかったよね」
急に振られた本題に言葉が詰まる。
「財布覚えあるの?」
言わなきゃ。
『遠慮をして一方的に距離を取ろうとしたり逃げられたら傷つくよ』
そう言われたばかりなのに。
「甘えるのは簡単って言ったでしょ」