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キスをして
第7章 小塚の憂い
少しずつ膨らみを増していくスポンジを眺めているとリビングの子機電話が鳴り出した。

長めのコールに出たくなるけど勝手に人の家の電話に出るわけにもいかず切れるのを待っていると留守電になったようで機械的な声と電子音が部屋に響いた後話し始めた。

聞いちゃまずいかな?と思いつつも気になって耳を傾ける…が、話し始めたのはいいけど神経質そうな男性の声のまくし立てるような口調。それによく聞くと日本語じゃない。

小塚さん外人さんの知り合いでもいるの?あまりにも長く話すから途中で留守電が切れたのか再び留守電にメッセージを残し始める。

呼んできた方がいいのかな‥。
でもお風呂入ってるのに呼ぶのもよくないかなぁ。
どうしよう。でもこの話してる人きっと急いでるよね。

やっぱり呼びに行こうとお風呂場の脱衣所を開ける。

「っごめんなさい!」

「とか良いながら思いっ切り見るね」

良かった…。下穿いてて。
静かに脱衣所の扉を閉めて扉に凭れ掛かるとさっきの残像が!!
白い引き締まった肌がほんのりと赤くなり上気した顔にしっとりと濡れた髪‥私は変態か!?
そんな事細かく思い出してしまう自分が恥ずかしい。

「何を頭抱えてるの?電話が鳴ったから呼びに来たのかと思ったんだけど違った?」

「そう!何度も留守電にメッセージが入るから急用なんじゃないかなって」

「男だった?」

「男性でした。早口で話してたけど日本語じゃなかったです」

「あぁ~。放っておけばいいよ。後で掛け直すから」

そんな感じなの?いつものことだよ的な?

「そんな事より、何度も見てるのに今更そんな反応しなくていいんじゃない?顔赤いよ?」

嬉しげに私の頬をつついて遊びながら顔を覗き込んでくる。お風呂に入ったせいで小塚さんの匂いが湯気にのって鼻孔を擽る。

「想像しちゃった?」

「~~!そんなわけないでしょ!?」
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