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キスをして
第8章 二人の関係
――コツ‥
静かだった空間に乾いた靴音が響いた。
視界の端に映る柵越しに見えるコートは見覚えがある。
「!!……小塚さ‥ん」
一瞬だった。
「ダメ!!!」
立ち上がった黒沢さんの胸倉を掴んで壁に背を打ち付けた小塚さんの腕を引いて止めに入る。
「違うんです!この人はっあの男じゃ「知ってるよっ。そんな事間宮さんの様子で分かる!」
「なら黒沢さんを離して下さい!」
こんな小塚さんを見るのは初めてだ。
怒ってるとかじゃない。
自分が抑えられないような。
だからすぐに黒沢さんから離れてくれる。
「大丈夫!?黒沢さん」
「っつぅ大丈夫。律香が思ってるほど痛くねぇから。迎えも来たみたいだし俺は事務所戻るわ」
「ごめんっ‥ありがとう」
小塚さんと視線だけを合わせて黒沢さんは何も気にしてないみたいにいつもの調子で階段を昇って行った。
小塚さんも黙り込んだまま階下へ降りていく。
いつもより速く歩く小塚さんを追いかけるけど機嫌は悪いままで一言も話してはくれない。
通用口前に停車された車に乗り込み静かに走り出す。
前を向いたまま何も言わない小塚さんに私も何を言えばいいのか分からない。
「ありがとうって何?」
「え?あぁ‥それは」
「キスされて嬉しかった?」
静かだった空間に乾いた靴音が響いた。
視界の端に映る柵越しに見えるコートは見覚えがある。
「!!……小塚さ‥ん」
一瞬だった。
「ダメ!!!」
立ち上がった黒沢さんの胸倉を掴んで壁に背を打ち付けた小塚さんの腕を引いて止めに入る。
「違うんです!この人はっあの男じゃ「知ってるよっ。そんな事間宮さんの様子で分かる!」
「なら黒沢さんを離して下さい!」
こんな小塚さんを見るのは初めてだ。
怒ってるとかじゃない。
自分が抑えられないような。
だからすぐに黒沢さんから離れてくれる。
「大丈夫!?黒沢さん」
「っつぅ大丈夫。律香が思ってるほど痛くねぇから。迎えも来たみたいだし俺は事務所戻るわ」
「ごめんっ‥ありがとう」
小塚さんと視線だけを合わせて黒沢さんは何も気にしてないみたいにいつもの調子で階段を昇って行った。
小塚さんも黙り込んだまま階下へ降りていく。
いつもより速く歩く小塚さんを追いかけるけど機嫌は悪いままで一言も話してはくれない。
通用口前に停車された車に乗り込み静かに走り出す。
前を向いたまま何も言わない小塚さんに私も何を言えばいいのか分からない。
「ありがとうって何?」
「え?あぁ‥それは」
「キスされて嬉しかった?」