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キスをして
第8章 二人の関係
駐車場に置いた車に乗り込もうとした直後電話がけたたましく鳴り響いた。
どうやらすぐに眞木は小塚さんへの連絡に成功したらしい。
「間宮の電話が途中で切れました。木須駅です!駅内から多分西口に降りようとしていたはずです!」
『分かりました。此方からも何度か間宮さんのスマホを鳴らしてみます。橘さんだけが向かっているんですか?』
「ええ、そうです。俺は車で向かいます」
『何かあったらお互い連絡を取りましょう』
電話を切って車を発進させる。
小塚さんはいつもと変わらない落ち着いた調子で話していた。
この人は取り乱したりしないのか?
いや今はそんな事を考えている場合ではない。
今から帰宅時間に入る。道が混まないことを祈るしかない。
――――
こんな事ならちゃんと言いつけ守って作業中断させて行って貰えば良かった。
この駅はあまり乗り降りする人が多くないせいもあって人があまり行き交わない。
しかも男子トイレなんて人来ないじゃない!
橘さんにタクシーに乗るように言われて階段を下ろうとした瞬間口を塞がれて階段横のトイレに押し込まれた。
「こんにちは律香さん。あれ?こんばんはの方が正しいんですかね」
まるでずっと知り合いだったみたいに話す彼が見れない。
投げ飛ばされた体が痛い。
なんで名前知ってるの?とかなんでトイレなのかなとかどうでも良いことが頭を巡る。どうしよう‥私動揺してる。
頬に当たる壁のタイルの冷たさが突き刺すように痛い。
声出さなきゃ。叫ばなきゃ。
何で声が出ないの?
どうやらすぐに眞木は小塚さんへの連絡に成功したらしい。
「間宮の電話が途中で切れました。木須駅です!駅内から多分西口に降りようとしていたはずです!」
『分かりました。此方からも何度か間宮さんのスマホを鳴らしてみます。橘さんだけが向かっているんですか?』
「ええ、そうです。俺は車で向かいます」
『何かあったらお互い連絡を取りましょう』
電話を切って車を発進させる。
小塚さんはいつもと変わらない落ち着いた調子で話していた。
この人は取り乱したりしないのか?
いや今はそんな事を考えている場合ではない。
今から帰宅時間に入る。道が混まないことを祈るしかない。
――――
こんな事ならちゃんと言いつけ守って作業中断させて行って貰えば良かった。
この駅はあまり乗り降りする人が多くないせいもあって人があまり行き交わない。
しかも男子トイレなんて人来ないじゃない!
橘さんにタクシーに乗るように言われて階段を下ろうとした瞬間口を塞がれて階段横のトイレに押し込まれた。
「こんにちは律香さん。あれ?こんばんはの方が正しいんですかね」
まるでずっと知り合いだったみたいに話す彼が見れない。
投げ飛ばされた体が痛い。
なんで名前知ってるの?とかなんでトイレなのかなとかどうでも良いことが頭を巡る。どうしよう‥私動揺してる。
頬に当たる壁のタイルの冷たさが突き刺すように痛い。
声出さなきゃ。叫ばなきゃ。
何で声が出ないの?