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キスをして
第8章 二人の関係
「じゃあ仕事家に持ち帰る?この男の会社に報告しないといけないし、会社に顔出すと話聞かれる羽目になる。嫌だろ?」
「仕事持ち帰ります」
「仕事好きだね、後で持って行くよ。小塚さん間宮家まで送って貰って良いですか?」
「大丈夫ですよ。今知人に来るように連絡入れたので直ぐに来ます」
「じゃあ俺が残りますから間宮連れて行って下さい」
橘さんの申し出に甘えた形で小塚さんに手を引かれ駅を後にする。怒っているようには見えない横顔にホッとしつつも一言も話さない彼が心配になる。
手を引いたままタクシー乗り場の列に加わる。てっきり小塚さんに送って貰えると思っていた。今一人で帰るのは不安になる。
「あの‥小塚さん一緒に居てくれた方が良いんですけど」
「?大丈夫。急いで来たからバイクで来たんだよ。渋滞にはまったら嫌じゃない?その格好じゃバイクは寒いよ」
タクシーに乗り込み何も話さないままアパートの前に着いた。
大丈夫だというのに部屋まで仕事道具を取りについて来てくれる。
鍵を開け部屋に入ると私は真っ直ぐにキッチンへ向かいパソコンやスキャナーを引っ張り出す。
部屋に入っても余計なことは一切話さない。あんなに顔はいつも通りにこやかなのに…。
「あの‥怒ってますか?」
「どうして?」
「何も言わないから…」
私の顔をじっと見たまま何かを思案した後、着替えておいでと言ったきりまた黙ってしまった。
着替えの為に寝室に入ってドアを閉めると急に心細くなる。
駅ではあんなに好き放題言えたのに今頃になってあの男の顔が浮かんでくる。
「仕事持ち帰ります」
「仕事好きだね、後で持って行くよ。小塚さん間宮家まで送って貰って良いですか?」
「大丈夫ですよ。今知人に来るように連絡入れたので直ぐに来ます」
「じゃあ俺が残りますから間宮連れて行って下さい」
橘さんの申し出に甘えた形で小塚さんに手を引かれ駅を後にする。怒っているようには見えない横顔にホッとしつつも一言も話さない彼が心配になる。
手を引いたままタクシー乗り場の列に加わる。てっきり小塚さんに送って貰えると思っていた。今一人で帰るのは不安になる。
「あの‥小塚さん一緒に居てくれた方が良いんですけど」
「?大丈夫。急いで来たからバイクで来たんだよ。渋滞にはまったら嫌じゃない?その格好じゃバイクは寒いよ」
タクシーに乗り込み何も話さないままアパートの前に着いた。
大丈夫だというのに部屋まで仕事道具を取りについて来てくれる。
鍵を開け部屋に入ると私は真っ直ぐにキッチンへ向かいパソコンやスキャナーを引っ張り出す。
部屋に入っても余計なことは一切話さない。あんなに顔はいつも通りにこやかなのに…。
「あの‥怒ってますか?」
「どうして?」
「何も言わないから…」
私の顔をじっと見たまま何かを思案した後、着替えておいでと言ったきりまた黙ってしまった。
着替えの為に寝室に入ってドアを閉めると急に心細くなる。
駅ではあんなに好き放題言えたのに今頃になってあの男の顔が浮かんでくる。