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キスをして
第8章 二人の関係
………………
どうしよう。私の話に黒沢さんが固まっている。
休んだ真相は聞かされていなかったらしく怒られ覚悟で言ったのに呆れられてしまった。

21時きっかりに迎えに来た黒沢さんの車に乗り込み昔よく行った馴染みのバーでカウンターに並んで座った。
二人してノンアルコールカクテルを頼み静かに話し始めた。

そして今に至る。

「腕は?」

「大丈夫。ちゃんと病院に行ったから」

「あの男に既に怒られてるだろうし何も言わねぇよ。あの人って何してんの?」

「時計屋さん?」

「なんだよその疑問系は」

「好きな時間に開けて好きな時間に閉めてるのよ。確かにいっつも時計は弄ってるんだけど…販売じゃなくて修理?かなぁ…」

「もしかして何にも知らねぇの?」

「………知らないかも」

「年齢は?」

「さぁ…?」

「「……………………」」

「律香さぁ…」

「分かってるっ分かってるよ?でも姉妹が居るのは知ってるし、お姉さんには会ったよ」

「会ったの?会ってくれって?紹介?」

「…今のなし」

「ふざけんなよ。そこまで言ったら言えよ。数々の恋愛遍歴聞いてきたのに今更引くかよ」
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