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キスをして
第9章 小塚の本懐
「あれじゃね?無駄にすげぇスピードで来るやつ」
暫くすると眩しいライトで近づいた車は私達を過ぎたところで急停車した。切羽詰まった見慣れた車に二人で笑った。
勢いよく運転席から降りてきた男は怒っているより悲痛な顔で駆け寄ってくる。
駆け寄ろうとしたけど未だに足下にまで回る酔いに制止されて近付いてくる姿を眺めるしかない。
「律!」
誠司が私に触れようとした瞬間黒沢さんが私の前に出て誠司を停止させた。
「振られたんじゃなかったんですか?」
「振られましたよ?諦めたとは言っていませんが。一週間も音信不通で行方不明になるくらいなら別に大した愛情でもないんだと思ったんでね」
「貴方には関係ないでしょう」
「たった数時間連絡取れなかったくらいでそんなに不安になるなら律香が一週間どれだけ不安だったか考えなくても分かるだろ」
「今ここで貴方に説明する内容ではありません。貴方に聞かせる前に律に聞いて欲しいことです。自分の愛してる人にも言えなかったことをどうして先に貴方に言わなければいけないのか」
「愛してる!?」
思わず誠司から漏れた言葉に反応してしまった。
「律香、今そこツッコむ?」
「ごめん。つ‥続けて?」
「緊張感無さ過ぎるだろ!酔っ払い!」
急に崩れた私と黒沢さんの会話に怪訝そうに眉を潜める誠司に笑って見せた。
「ごめんなさい。私が元気ないから一部の同僚達が仕返ししようってしてくれたの‥ちょっといい気味だなって思った」
「‥‥はぁ!?」
「ごめんね?お説教は後で聞くから‥だから黒沢さんは別に悪くないの。むしろ代わりに言ってくれてありがとう」
暫くすると眩しいライトで近づいた車は私達を過ぎたところで急停車した。切羽詰まった見慣れた車に二人で笑った。
勢いよく運転席から降りてきた男は怒っているより悲痛な顔で駆け寄ってくる。
駆け寄ろうとしたけど未だに足下にまで回る酔いに制止されて近付いてくる姿を眺めるしかない。
「律!」
誠司が私に触れようとした瞬間黒沢さんが私の前に出て誠司を停止させた。
「振られたんじゃなかったんですか?」
「振られましたよ?諦めたとは言っていませんが。一週間も音信不通で行方不明になるくらいなら別に大した愛情でもないんだと思ったんでね」
「貴方には関係ないでしょう」
「たった数時間連絡取れなかったくらいでそんなに不安になるなら律香が一週間どれだけ不安だったか考えなくても分かるだろ」
「今ここで貴方に説明する内容ではありません。貴方に聞かせる前に律に聞いて欲しいことです。自分の愛してる人にも言えなかったことをどうして先に貴方に言わなければいけないのか」
「愛してる!?」
思わず誠司から漏れた言葉に反応してしまった。
「律香、今そこツッコむ?」
「ごめん。つ‥続けて?」
「緊張感無さ過ぎるだろ!酔っ払い!」
急に崩れた私と黒沢さんの会話に怪訝そうに眉を潜める誠司に笑って見せた。
「ごめんなさい。私が元気ないから一部の同僚達が仕返ししようってしてくれたの‥ちょっといい気味だなって思った」
「‥‥はぁ!?」
「ごめんね?お説教は後で聞くから‥だから黒沢さんは別に悪くないの。むしろ代わりに言ってくれてありがとう」