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キスをして
第9章 小塚の本懐
「どこに行ってたの?」

走り出した車の中で落ち着いて話をしようと思ったのに口から出た声は自分が思った以上に冷たかった。

「スイス」

「やっぱり。仕事で行ったの?独立時計師さん」

「…それいつ知ったの?」

「今日居なくなった理由のヒントがないかなって眞木君が調べたら誠司が出て来た。私には時計の修理って言ってたのに」

「修理もしてるよ…独立時計師って言うと皆一歩引くんだ。律の中ではまだ暇な時計屋でいたかった」

「別に引かないよ‥驚くけど誠司ならそれも有りな気がするから。そんな事気にしない」

ゆっくりと走る車は家に帰るのかと思ったがビジネスホテルに入ろうとする。

「なんでホテル?」

「もう3時過ぎてるし今から家に帰るだけの気力がない」

「ホテルに行くなら次の信号右折して後10分走って」

驚いて言葉を詰まらせたが私の思惑に気付いたのか素直に車を走らせる。
そう右折して10分走ればラブホテルが並ぶのだ。

運良く空いていたホテルに車を入れて適当に部屋を選んで急ぎ足で部屋に入った。
彼の予想を裏切っていないはず。

けど!予想の更に上を行ってやるわ!

「!!!――――~~っつ」

コートを脱いだ誠司の脇腹に体を思い切り振り遠心力を付けて持っていたショルダーバックを叩きつけた。

「痛っ‥た」

どうやらすぐには声が出なかったらしい。うずくまる姿を見下ろしながら話を始める。

「コレくらいには傷ついたから‥張り紙書き換えてあった事とかスイスに何しに行ったのかとか飛ぶ前にもっとまともなライン打てなかったのかとか国際電話のやり方知らなかったのかとか言いたいこと山ほどある!!…でも、無理して聞かない。理解ある女になる気ないけど人に言えないことの一つや二つあるかも知れないし‥強いて言うならもっと上手くやりなさいよ」
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