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キスをして
第9章 小塚の本懐
誠司の家に着くなり荷物も置かずに脱衣所に押し込められて困惑しているとタオルを持たされる。
「取り敢えずお酒と煙草の匂いが染み付くからシャワー浴びて。着替えは適当に持ってきておくからゆっくりどうぞ」
有無は言わせないとばかりに久し振りの威圧的な笑顔で去って行く。
私そんなにお酒臭いかな…。
シャワーを終えてリビングにあがると毎朝香っていたコーヒーの香りが私を迎える。この感覚も久しぶりだ。
勧められたコーヒーを入れて貰う間に自分のスマホを確認すると黒沢さんからラインが入っている。
―あの後話し合いできたか?―
―殴った後和解―
打ち終わったかと思えばすぐに返ってくる。
―殴るな。拗れたら佐伯に連絡しろ。気にしてた―
気にしてた?あの二人連絡なんて取るんだ。てっきり佐伯さんは黒沢さんを避けているんだと思っていた。
―大丈夫。ちゃんと和解出来たから―
「仕事?‥その顔は違うみたいだね彼から?」
彼とは黒沢さんの事だよね。
「別に連絡取っていいよ?怒らないよ?」
「でも良く思わないでしょ?」
コーヒーを飲みながらソファに座る誠司に促されて足の間に膝立ちで跨がる。私の腰に腕を回して引き寄せて下から見上げながら首を傾げて話しかけてくる。
「仲良くして欲しい?」
「出来ればね。したくない?」
「前にも言ったけど嫉妬してるんだ。それに律にキスしたし‥そりゃあ付き合う前だったから俺に言える事なんてないけど………心狭くてごめん」
バツが悪いのか私の体に顔を埋めて黙り込んでしまった。
こういう所が36歳には見えない理由なんだろうか。嫉妬しては自己反省して落ち込んで自分に対してこんな風に思ってくれていることを嬉しく思う。
「取り敢えずお酒と煙草の匂いが染み付くからシャワー浴びて。着替えは適当に持ってきておくからゆっくりどうぞ」
有無は言わせないとばかりに久し振りの威圧的な笑顔で去って行く。
私そんなにお酒臭いかな…。
シャワーを終えてリビングにあがると毎朝香っていたコーヒーの香りが私を迎える。この感覚も久しぶりだ。
勧められたコーヒーを入れて貰う間に自分のスマホを確認すると黒沢さんからラインが入っている。
―あの後話し合いできたか?―
―殴った後和解―
打ち終わったかと思えばすぐに返ってくる。
―殴るな。拗れたら佐伯に連絡しろ。気にしてた―
気にしてた?あの二人連絡なんて取るんだ。てっきり佐伯さんは黒沢さんを避けているんだと思っていた。
―大丈夫。ちゃんと和解出来たから―
「仕事?‥その顔は違うみたいだね彼から?」
彼とは黒沢さんの事だよね。
「別に連絡取っていいよ?怒らないよ?」
「でも良く思わないでしょ?」
コーヒーを飲みながらソファに座る誠司に促されて足の間に膝立ちで跨がる。私の腰に腕を回して引き寄せて下から見上げながら首を傾げて話しかけてくる。
「仲良くして欲しい?」
「出来ればね。したくない?」
「前にも言ったけど嫉妬してるんだ。それに律にキスしたし‥そりゃあ付き合う前だったから俺に言える事なんてないけど………心狭くてごめん」
バツが悪いのか私の体に顔を埋めて黙り込んでしまった。
こういう所が36歳には見えない理由なんだろうか。嫉妬しては自己反省して落ち込んで自分に対してこんな風に思ってくれていることを嬉しく思う。