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キスをして
第9章 小塚の本懐
脱力して誠司の上に覆い被さる私を優しい手が撫でてくれる。

「夜出掛けるのに調子にノりすぎたな」

「出掛けるの?」

「うん、今日は外で食べよう。クリスマス一緒に居られなかったから」

「どこ行くの?」

「実はまだ決めてなくてさ‥何が食べたい?」

何と言って食べたい物はなくて2人で初めて行った近くの居酒屋に行きたいと答えた。

「居酒屋でいいの?」

「うん、前は緊張してゆっくり食べられなかったから」

「分かった。じゃあ連絡しておくよ」

誠司から離れると素早くゴムを取り外す姿を見て聞きたかったことを思い出した。

「私ね聞きたかったことがあるんだけど」

「何?」

脱ぎ捨てた服を受け取りながら話を続ける。

「前から思ってたけど誠司はちゃんとゴムしてくれるよね」

「当たり前でしょ。まさかっあの男―」

「違う違う!そうじゃなくて」

言葉を選んで言うと変な誤解を生みそうだ。にしても黒沢さんを信用し無さ過ぎいや、嫌いなだけかな。

「いつも持ってるの?」

「?律を抱きたいと思ったときに抱けなかったら悲しいじゃないか。無理はさせる気ないけど俺は律といると我慢利かなくなること多いから」

服を着た私を抱き寄せて頭に頬を乗せる。ちゃんと考えていてくれるのは凄く嬉しい。でも聞きたいのはそこじゃない。

「さっき‥服着てないのにどこから出してた?」

‥‥‥‥‥‥

「男の裏事情にツッコんじゃ駄目」
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