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キスをして
第3章 間宮の憂鬱
「まぁ。それもあるけど前に間宮が作った広告が評判よかったから是非って頼まれたから断りたくなかったんだよ」

「それは…どうも」

「それに間宮は他の奴より早く帰ってるみたいだし」

……は?

終電は早くないから!みんな帰ってないだけだから!

私は暇なわけではないんだよ?

毎日毎日パチンコのポスターとかPOPとか作り続けるわけですよ。
外食なんて行く暇すらなかなかないのにアナタがたま~に持ってくる飲食店のメニューとか作ったりしてるわけですよ。どんな気持ちか分かるかな?腹立たしいですよ?

朝から一日中パソコンにかじりついて仕事してるわけですよ。

「‥か 律香っ」

悶々としているとどうやらずっと呼んでいたらしい黒沢さんが困った顔で私を見ている。

「一応、移動中も仕事なんで名前で呼ばないでください」

「じゃあ返事しろよ、着いたから行くぞ」

車を降りて鹿島商事の事務所に入って行く。

ここに来るのは2回目だ。
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