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キスをして
第10章 珍事と感傷
不意に腕を引かれて誠司に唇を塞がれる。口を開けて?と急かすような唇を掠めるだけのキスは体を火照らせるのには充分だ。
苦しくなって口を開くと激しさを増す舌に誠司のコートにしがみつく事しかできない。
もっと‥と流されそうになった体が押し戻される。

「俺帰るね。下までは良いから遅くなるとからかわれるよ?‥そんなに物欲しそうな顔して戻っちゃ駄目だよ?」

意地悪げに口角を緩ませて帰って行った。

しゃがみ込んで階段の柵で火照った頬を冷ます。また事務所に缶詰状態で会えないのにこんなキスされたら早く帰りたくなってしまう。

「‥またキスしたくなるじゃない」

事務所に戻った頃にはお節は半分以上なくなっていて餌を与えられた男達は大人しくデスクに向かっていた。

早く終わらせないといつまでも家に帰れない。仕事を頑張る理由が不純だろうと構わない。
一緒に家でゆっくりしていたい。
誠司に会うために頑張ろうと思ったら決意は無駄になった。

1日の昼過ぎに事務所の受付にお重箱を持って現れた。取引先の電話の最中で行くことが出来ない私の代わりに日下さんが誠司と話している。
お重箱を受け取った日下さんが休憩室に運んでいる間帰りもせずに佐伯嬢と談笑し始めた。

一体何をそんなに楽しげに話すことがあるの。電話さえ終わればと思うのになかなか話は終わらない。
私に視線をずらして帰ろうとする誠司を通りがかった眞木君が呼び止めている。

‥‥あぁもう!この電話切ってやろうか。

漸く受話器を戻したときには誠司の姿はなくて帰ってしまった事が寂しい。

「速っ!すっげぇ仕上がり綺麗!」

作業台から盛大な感嘆の声が漏れた。

「眞木君?どうしたの?」

……

「何をしてるの?」
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