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キスをして
第10章 珍事と感傷
「ただいま戻りましたぁ」
「皆さんお疲れさまです」
佐伯さんの買い出しに同行していた誠司が事務所に帰ってきた瞬間空気がピリッと感じたのは多分気のせいじゃない。
「日下さんっ買い出しに行かせたのか!?」
「僕が手伝うと勝手に申し出たんですよ。黒沢さん」
「そうなんですよぉ。帰ろうとしてた小塚さんが私の買い出し一人で持つの大変そうだからって」
慌てて小塚さんの付け足しをする佐伯さんも雰囲気の変化は分かっているみたい。
「だから大丈夫ですよ?気を使ったのが良くなかったのであれば謝罪しますが」
「結構です。そんなつもりで言った訳じゃありません」
「そうですか。では僕はそろそろ帰りますね」
チラチラと様子を見ながら作業している脇から橘さんが下まで送れと合図してくる。気を利かせてくれる橘さんに感謝しながら事務所を出て行く誠司を追いかけた。
「誠司待って‥私も行く」
閉まるエレベーターに何とか滑り込んで壁に凭れる。
「皆さんお疲れさまです」
佐伯さんの買い出しに同行していた誠司が事務所に帰ってきた瞬間空気がピリッと感じたのは多分気のせいじゃない。
「日下さんっ買い出しに行かせたのか!?」
「僕が手伝うと勝手に申し出たんですよ。黒沢さん」
「そうなんですよぉ。帰ろうとしてた小塚さんが私の買い出し一人で持つの大変そうだからって」
慌てて小塚さんの付け足しをする佐伯さんも雰囲気の変化は分かっているみたい。
「だから大丈夫ですよ?気を使ったのが良くなかったのであれば謝罪しますが」
「結構です。そんなつもりで言った訳じゃありません」
「そうですか。では僕はそろそろ帰りますね」
チラチラと様子を見ながら作業している脇から橘さんが下まで送れと合図してくる。気を利かせてくれる橘さんに感謝しながら事務所を出て行く誠司を追いかけた。
「誠司待って‥私も行く」
閉まるエレベーターに何とか滑り込んで壁に凭れる。