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キスをして
第10章 珍事と感傷
「ごめん。部屋でさっさと寝るつもりだったんだけど見つかっちゃった」
「見つかって良かったよ。それにしても寝不足で熱出すなんて無理しすぎだよ」
「情けな~い」
「そうだね。点滴打たれて先生に叱られたらね。前にも同じ事やらかしてたなんて‥はははっ」
「笑わないでよ」
点滴のお陰で頭がクリアになっている。
「電車の中で高校生に席譲られたの『大丈夫ですか?』って顔色悪かったんだね」
「今はマシだよ」
「ごめんね。お姉さん来てたのに」
「‥構わないよ。帰るところだったから。少し寝なよ帰りには起こしてあげるから」
髪に触れる手に促されて眠りについた。
目覚めると見慣れた天井。
街灯の灯りが部屋を照らしている。
自分の部屋で寝ていないのは通常なのか異常なのか。
枕元の時計は午後6時を過ぎたところだ。ぐっすりと寝たお陰で頭のだるさも取れていた。
リビングに行くと明かりは消えていて下の作業場に居るのだと分かる。
「おはよう」
私の声に揺れた肩に少し申し訳なくなった。
「ごめん。驚かせちゃった」
「大丈夫だよ。熱は?」
「もう大丈夫。…その時計直すの?」
「あ‥いや、掃除してただけだよ」
部屋の明かりも点けず作業台の小さな明かりだけが誠司の顔を照らしている。
「見つかって良かったよ。それにしても寝不足で熱出すなんて無理しすぎだよ」
「情けな~い」
「そうだね。点滴打たれて先生に叱られたらね。前にも同じ事やらかしてたなんて‥はははっ」
「笑わないでよ」
点滴のお陰で頭がクリアになっている。
「電車の中で高校生に席譲られたの『大丈夫ですか?』って顔色悪かったんだね」
「今はマシだよ」
「ごめんね。お姉さん来てたのに」
「‥構わないよ。帰るところだったから。少し寝なよ帰りには起こしてあげるから」
髪に触れる手に促されて眠りについた。
目覚めると見慣れた天井。
街灯の灯りが部屋を照らしている。
自分の部屋で寝ていないのは通常なのか異常なのか。
枕元の時計は午後6時を過ぎたところだ。ぐっすりと寝たお陰で頭のだるさも取れていた。
リビングに行くと明かりは消えていて下の作業場に居るのだと分かる。
「おはよう」
私の声に揺れた肩に少し申し訳なくなった。
「ごめん。驚かせちゃった」
「大丈夫だよ。熱は?」
「もう大丈夫。…その時計直すの?」
「あ‥いや、掃除してただけだよ」
部屋の明かりも点けず作業台の小さな明かりだけが誠司の顔を照らしている。