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キスをして
第12章 律香と誠司
「そこ··っばっか、り··んっ!あ、」

「いいよイって、どうせまだイカせるから」

私の脚を抱え体を反転させ背中に覆い被さるように体勢を変える。

「っあぁ!··は、だ·ぁや、ああ!」

ベッドに額を押し付けシーツを握り締めて絶頂を迎えた。

「は、はぁ··は·─!」

「まだ俺は一回も終わってないよ」

耳元で吐息と共に与えられた言葉は私に逃げ道を与えられないことを伝えるのは簡単だった。

シーツを握り締めたままの手を上から握り締め首筋を濡らす汗を舐め取っていく。

「おね·が··また、キちゃ·あああっ」

まだ痙攣の残るナカを抉り何度も何度も奥へと熱を突き挿れられる。

腰を掴んでいた手が胸に伸び突起を指で挟んで捏ねて先を指先で引っ掻く。
首筋に当たる上擦った吐息が私の感度を更に上げていく。

激しい愛撫が辛いと思いつつもこの熱が抜けてしまう事の方が今の私には辛いことのように思えて手を握る左手に唇を寄せた。

「っ律、顔見せて··はっ·」

上手く力の入らない体を持ち上げ振り返る。
喘ぎ声を飲み込むように誠司に食らい付かれてナカにいる彼を締め付けた。

「っ··好きだ、律、」

「あ うぅ·あぁっ!、··激··、」

肌のぶつかる音が早くなっていく。
その間にも身体は休まることなくイキ続けた。



「··ん─···」

うっすらと白んだ外に朝が来たことを理解した。
いつの間に眠ってしまったのか全く思い出せないが満足気にスヤスヤと横たわる誠司にあまり時間は経っていないのだと思う。

まだ5時前位だろうか。
指ひとつ動かすのが億劫な程身体は限界を訴えている。
腰が痛いなどと言えるのはまだ手加減されていたのだと今更に知った。

いつも加減をしてくれればもっと甘えられる気がするのに。
会社の心配が先に立ってしまう朝を迎えるのは清々しいとは言えない。
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